利用するアメリカ
メディアは特に大々的には報道しないが、9月27日現在、アフガニスタンでは多くの衝突が起きている。しかし、勘違いはしないでほしい。その多くはイギリス・アメリカ軍によるものではなく、北部同盟対タリバンの衝突である。
そもそも、この北部同盟という組織はタリバンの統治に反抗する勢力であった。テロがあった9月11日の次の日に報告された空爆を指揮した勢力でもある。首都、カブールのすぐ北に位置する街に本拠地を構え、タリバンに対し、徹底抗戦をしている。
その北部同盟がここ最近、めっきり勢力を広げタリバン政権を脅かす存在になっている。その背景にはやはりアメリカの姿がちらほらと映っている。つまり、アメリカ合衆国がこのタリバンと敵対する北部同盟という勢力に対し、全面的に支援しているからだ。
基本的に、こういった敵対勢力を支援する、という方法はアメリカの十八番である。自分たちに都合の悪い勢力の力をできる限り抑えるために敵対勢力の力を意識的に強め、power
of balance(力の均衡)を保とうとする。もちろん、戦術的にもあたまりまえの常套手段であり、今回のアフガン攻略のためにもあたりまえのように使われている。
しかし、今回のこのアメリカが使っている戦術はほぼ丸見えなのである。ラムズウェル国防長官は27日に今までの意見を一転し「近い将来の攻撃はありえない」と演説した。まるでアメリカ合衆国の怒りとは裏腹に沈着冷静にタリバン政権が弱くなったところを狙いすましているかのように。彼は知っているのだ。今、侵攻すれば多くのアメリカ兵犠牲者が出ることを。
20世紀後半から、戦争の仕方は変わってきた。兵士を多く投入したとえ犠牲者が多く出ても力でねじ伏せる戦争から、兵士の犠牲を最小限に抑え、金額だけで行う戦争へと。湾岸戦争、ユーゴスラビア空爆がいい例である。そして、今回もアメリカはできる限り戦死者を出したくないという意向が強く見られる。
自国の人民だけを優先し、敵国内の人民を人とも思わず殺し合いをさせる。そしてアメリカはただ高みの見物をしているだけなのである。そして、国力が弱まった頃に攻撃をくわえる。なんとも簡単で単純な作戦なのだが、そのために多くの人達が死ぬ。アメリカは簡単に戦争に勝てる。戦争とはクリーンな意見では語れないのだが、人道的にアメリカを批判したくなる。
確かに一番効率のいい作戦である。皮肉にも、北部同盟もアメリカに支援してもらって喜んでいるだろう。渦中の人は時としてそんな現状にすら気付かないのである・・・。メディアと宗教をうまく利用しているこの作戦を・・。(9月27日20001年)