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弾圧を引き起こすテロ戦争

10月10日現在、アメリカではニュース番組の特集でのみ、今回のテロ戦争について報道されている。その注目度の低さが今のこの戦争の意味を表している気がしてならないのだが、一回始めてしまった戦争は「結果」が出るまで終わらないだろう。日本の公共事業のように感じてしまう。

しかし、容易に想像がつくのだが、今回のテロ戦争が引き起こすものはとても大きい。直接的にはもちろん、アフガニスタンに攻撃をくわえているのだからアフガニスタンの国民やイスラム教徒などへの大きな影響が出る。しかし、私はそれ以外にも大きな影響を起こしてしまう危険性があるように思えて仕方がない。

というのも、今回の攻撃の構図は「アメリカ→イスラム原理主義者」である。世界一の経済大国であり軍事大国のアメリカが、言うなればイスラム教徒弾圧を行っている。NATOや国連でも一番力を持つアメリカが公にイスラム教徒を攻撃しているのだ。

知っている人は知っているとは思うが、世界にはイスラム教徒を弾圧している大国が2つある。中国とロシアである。中国は新彊ウイグルのイスラム教徒を、ロシアはチェチェンのイスラム教徒をそれぞれ弾圧している。どちらも独立を目指している地域なのだが、中国やロシアにとってみれば、国家の国益を損ねるテロ行為なのである。

今まで国連やアメリカはそれらの弾圧行為を”見て見ぬふり”していた。表向きには遺憾の意を表してはいるものの、お互い大国ゆえに介入はできないためである。

今回のアメリカのテロ戦争はこれらの弾圧を認めざるを得ない状況を作り上げてしまう恐れがある。アメリカがイスラム教徒を弾圧しているのだから、中国やロシアがしてもクチを挟めないのである。

今回のテロ戦争でイスラム教徒は世界的認識でも悪役になってしまった。たった一部の過激派の行動なのだが、それを全体のようにみせるマスコミも相成って、それなりに好イメージのあるキリスト教とはまったく反対の宗教を作り上げてしまったのだ。そしてそれらを攻撃する国を公に批判することもできなくなってしまうのかもしれない。

戦争で被害を被るのはアフガニスタン国民だけではない。見える戦争と見えない戦争。今、見えない戦争の火蓋も切っておとされたのかもしれない。(10月11日2001年)

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