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逃げる兵士 集まる兵士

多くのメディアが今回のテロ戦争を記述する上で、タリバンの兵士の強靱さや結束力をアピールしている。アルカイダというグループが兵士を育成し、その強さの根元となっているというのは間違いない事実だろうが、すべての兵士が死を恐れないということはないはずである。

あまり報道はされないニュースではあるが、一部の新聞がアフガニスタンから逃げるタリバン兵士について記述していた。新聞によってその数はバラバラだが、多いところでは半分程度がアメリカの報復を恐れ脱走したとまで書いているところもある。敬虔な信者と言えどもやはり死は恐怖であり、そして「勝ち目のない戦争」と見切りをつけるものもいるということだ。

反対にアフガニスタンに集結し始めているイスラム教徒もいる。事実、インドネシアやパキスタンなどのイスラム教国家からアフガニスタンに共闘しにいく信者も少なくないと言う。彼らの多くが報酬を求めず、独自に武器を手に入れて参戦するというのだから、その信心深さには驚かされる。

しかし、アメリカが唯一恐れているスティンガーという対空ミサイルも空高く飛行する飛行機には届かない。今回のテロ戦争はすでに2週間目に突入したが、アメリカ軍の犠牲者は今のところ訓練中に事故でなくなった一人のみである。ようするに、地上戦に突入しない限りにはどんなにタリバン側に兵士が集まったとしても今のところ無力でしかない。

10月15日にはアメリカ軍が低空飛行を開始したというニュースがあるが、その真相は今のところ不明である。もしそれが事実だとすると、アメリカは近日中に本格的に地上戦を開始するだろう。その場合、この戦争は泥沼化するであろう。かつてソ連がアフガンに侵攻した時のように、ロシアのチェチェン侵攻のように。

今はまだ地上戦が行われていないために、義勇兵としてアフガニスタンに向かう人数はあまり多くはない。しかし、地上戦に突入した際には、20世紀に起きたイスラム教地帯侵攻の時には必ず起きたような終わることのない抵抗が起きるであろう。ソ連は10年もアフガニスタンに侵攻してが、支配できなかった。ロシアはいまだにチェチェンに攻撃をくわえている。「アメリカとロシアは違う」という意見もごもっともなのだが、根本的な構図、原理主義vs先進国という構図には変わりがないのである。

もちろん、アメリカ側にも多くの犠牲者を出す地上戦の突入だけはもう少しだけ考えて欲しいと思う。ある学者が「今回のテロはこの先50年以上続く第三次世界大戦の始まりでしかない」と言っているような未来にだけはなって欲しくないとおもう。(10月16日2001年)

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