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テロ特需に沸く企業

9月11日に世界貿易センターがテロリストにより破壊されたその日から、マスコミや専門家達は口々に「アメリカの景気は後退する」という見通しをした。世界貿易センターには、多くの一流企業がオフィスを持っていたため、その被害は想像を絶するモノであったからである。

彼らの予測通り、アメリカの景気は下降気味に推移している。ダウ平均株価は10,000ドルを割り込み、特に観光業や生産業において多大な被害がでている。リストラを敢行する企業も多く、失業率は一気に跳ね上がる見通しのようだ。

しかしながら、それらの報道とは裏腹に、今まさにテロ特需に沸く企業も多い。容易に予測はついたが、軍事兵器を生産している企業の株価は一気に1.5倍ほどまで跳ね上がり、10月28日現在も尚、あがる一方である。あのボーイング社もテロ後すぐにリストラを実行し、その後、多くの軍事兵器、特に戦闘機を生産して利益を出している。

さて、10月27日に発表されたニューズウィーク誌の世論調査によると、43パーセントのアメリカ人が「炭疸菌などの情報をアメリカ政府はきちんとすべて公開している。」と答えた。そして23パーセントの国民が「混乱を避けるために重大な情報を隠している」と答えている。なにより、興味深いのは約半分の国民が、「国内でのテロ再発防止のためのアメリカ政府の対策では再発は防げない」としている。

そのような現状から、アメリカでは今、軍事産業だけでなく、警備会社への需要が飛躍的に高まっている。警備会社は人員を大幅に拡大し、その需要を満たしている。

「飛行機に乗るのが怖い」というアメリカ人は個人で小型飛行機を購入したり、飛行機をチャーターするといったケースも増えているという。なるほど、知り合いのみの飛行機や個人で操縦すれば、テロリストによる乗っ取りはない。そうした観点につけ込んで、多くのチャーター機を斡旋する会社は多額の利益をだしている。

落ち込む景気とは裏腹に、景気がいい企業も多い。やはり、ある企業が落ち込めばその人員や授業が違う企業に移ることによって、景気は循環しているようである。専門家の予測通りに動くほど、景気は一筋縄ではいかないだろう。景気の後退ばかりがニュースになる最近ではあるが、見えないところでは大きな金額が動いていることは確かなようである。(10月28日2001年)

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