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追悼、そして報復へ

2001年9月14日、アメリカは「祈りと追悼の日」としてアメリカ全土で国民が今回のテロに対する祈りを捧げた。アメリカ大統領ブッシュはワシントン大聖堂にて正午、「我々は米国の友人・同盟国とともにあらゆる手段を尽くしてこの悪を追及する」と誓った。

全米各地では、アメリカ合衆国の国旗と追悼のろうそくをもった人達が街には多く見られた。「クラクションを鳴らせ!」などという紙を持って、ドライバー達にクラクションを追悼の言葉として奏でてさせていた。主要なところに掲げられているアメリカ国旗は追悼の意味をこめ半分だけ上げてあり、私はそれらの人や国旗を見た瞬間になぜかこの国がとても好きになった。

キリスト教は国教でこそないが、この国では間違いなく一番信じられている宗教である。追悼の儀式は多くの場合キリスト教の決まりによって行われ、聖歌がテレビから流れ続けた。

そんな9月14日、アメリカは上院下院、両院で「軍事力による報復行為」が可決された。つまり、国家として報復を公式に認める見解を示したと言うことだ。これによってまず間違いなくテロ壊滅への軍事作戦が展開されることになった。そして多くの罪のない人が殺されることになるだろう。

これだけ多くのアメリカ国民が犠牲者達の冥福を祈った。私も車のクラクションを鳴らし冥福を祈った。私はできることなら戦争には発展してほしくないと思う。多くの罪のない人達を殺して欲しくないとおもう。しかし、この国はこの悲しみを「報復」という形で紛らわすことになった。とても残念である。

アメリカ人が犠牲になる深い悲しみを知っているアメリカ。しかし、アメリカ人以外の人が犠牲になることはいとわない。なぜなら、相手の立場になって考えることが今はできないからだ。それだけ大きなテロであり、それだけ多くの犠牲が払われた。

たとえテロリストだけを殲滅できたとしても、それは序章にすぎないだろう。残ったテロリスト達はその報復を恨み、そして次のテロへと繋がる。「テロリスト達を殲滅する」といっているブッシュ大統領の意気込みは本気だろうが、殲滅することは不可能である。この報復が次の遺恨を生み、次のテロに繋がってしまうことだろう。

とはいえ、この国の国民性は報復をしないことを許さないだろう。

いつになれば、このいたちごっこに気付くのだろうか?仲間の死を悲しむ心を持っているのなら、罪のない市民を殺す罪悪感ももって欲しい。それをうまくごまかして情報操作しているマスコミがいる限り、間接的な殺人は正当化され続けるであろう。(2001年9月15日)
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