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一万円札ってどんな札?

日本の普通の社会人なら少なくとも一枚程度は常時一万円札を携帯していると私は思う。福沢諭吉が印刷され、日本の紙幣の中で一番枚数が出回っているだろうとおもわれる紙幣である。コンビニにいっても一万円札で200円の買い物だってできてしまう。そしてコンビニの店員は9800円をきちんと手渡してくれるのである。こんな常識が、ここアメリカでは通用しないといったら、どう思うだろうか?

ご存じの方もいるとはおもうが、アメリカには20ドル札(約2200円)というものがある。日本も2000年にミレニアム記念として2000円札を発行して、話題を集めた(最初だけだった気がするが)。しかし日本人にとってはこの中途半端な2000円という数字はどうも馬があわなかったらしく、あまり出回らないまま、自動販売機の前には「2000円札使用不可能」と書かれた札がかかっていたりする。その前に、2000円札すら拝んだことがない日本人もいるのではないだろうか?

その20ドル札、アメリカではかなりの数が出回っている。ATMなどでお金をおろすとき、300ドルをおろそうとしても100ドル札が3枚でてくるのではなく、20ドル札が15枚でてくるのである。たとえその数字が1000ドルであろうと、2000ドルであろうと、たぶんではあるがでてくる札はすべて20ドル札だとおもわれる(500ドル以上ATMから紙幣を出すことは一応できないようにはなっている)。

20ドル札しかもてないなんて、なんて不便!と思うかもしれない。しかし、ここがアメリカである。あるレストラン、たとえばファーストフード店などにいくと、こういう文字が書かれている。「当店では20ドル札以上のお札はお受けしておりません」と。理由は、アメリカ全土に広がる偽札使用の疑惑にある。たとえ20ドル札を使った場合でも、所によって店員はその20ドル札に赤いマジックでビッと、線を引く。その線のにじみ具合で偽札かどうかを識別するというものだ。それくらい多額紙幣(といってもたった2200円札なのだが)を受け取るときには敏感になるのである。

それ故、私自身、100ドル札を初め50ドル札といったたぐいの札は数えるほどしかみたことがない。自分自身が持った最高の紙幣は50ドル札なのである。現に実在する紙幣なのだが、携帯すると使う場所にも困るし、現金を多く持ち歩くのもアメリカでは危険なので、多くの人はそういったたぐいの札は持たないようにしているようだ。

そんな50ドル札や100ドル札ではあるが、唯一使える場所がある。日本人が経営している店である(苦笑)。日本人はアメリカにいようが日本にいようが、多くの金額を持ち歩くことには変わりがないようだ。

あるアンケートによると、アメリカ人一人あたりの所持金額は5000円程度だとか。クレジットカードやデビットカードの普及に伴い200円の買い物だろうがなんだろうがカード一枚で事足りてしまうのだから現金などは必要がないといったところであろうか。日本人の私にとってみれば、不思議な感覚以外のなにものでもない。

そんなこんなでアメリカの100ドル札。使うのも難しいし見つけるのも難しい。一万円札をみたことのない日本人はいないだろうが、100ドル札をみたことのないアメリカ人はもしかしたら存在するのかもしれない。半分冗談で、半分本当っぽい予感である。

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