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立ち読みはご遠慮ください? |
日本でよく立ち読みをする私は、しばしばこう注意される。「立ち読みはご遠慮ください」と。この言葉の意味は「もうこれ以上、本をタダ読みしないでください。」という意味である。そう直接的に注意されなくとも、必ずといっていいほど、店の壁や本棚のところには「立ち読みはご遠慮ください」と書いてあるはずだ。
こういう本屋もある。すべての本のビニールをとってあって、お客が自由に雑誌や漫画本を読めるといった本屋だ。そういった本屋はいついってもお客でごった返している。漫画本のコーナーなどでは地べたに座って読んでいる少年少女がどれほど多いことか。店側としてはどのようにおもっているのだろうか?売り上げはでているのだろうか?といらぬ心配までしてしまうものだ。
さて、アメリカの本屋の話である。私が知らないだけかもしれないが、アメリカのほとんどの本屋は素晴らしいほどきれいにつくられている。くわしい詳細はしらないが、かなり頻繁に内装工事をしているとしか思えないくらいである。そういった本屋には必ずといっていいほど、ある物が置かれている。机と椅子である。雑誌コーナーの前には長椅子がならべてあり、個々が自由に座って雑誌を飽きるまで読んでいる。しばしばしわくちゃになった雑誌が本棚に並べてあるのを見かける。他のコーナーのところどころにも置いてある椅子や机。学生や一般客が自由に本を探して調べ物をしていくためであろうか?本屋がオープンする前から並んで席を取ろうと考えている客までいるほどである。本や参考書など関係ナシに自分の勉強だけをしている学生も多くいる。そういった学生は勉強するために、図書館ならぬ、本屋を使用するらしいのだ。
ソファーといったものまで備え付けている本屋も多い。小説コーナーからおもしろそうな本を数冊もってきて朝から読んでいる年配者達。気持ちよさそうにいびきをかきながら寝ている若者。もうここまでくると、本屋もただの本屋ではなくなるような気がするが・・・。私もよくそのソファーにすわっては微睡むのである。
極めつけはこれである。ほとんどの本屋にはコーヒーショップが入っているのだ。しかも、そのコーヒーはもちろん本屋の中に持ち込みオーケー。客はコーヒーを飲みながらソファーや机で昼の一時をすごすのである。しかも、そのコーヒーショップは頭がいいのか、それとも利益だけを追求しているのか、ケーキやクッキーといった類のものまで販売している。それらを食べながら本を読んでいる客のどのくらいが一体その新品の本にケーキのカスなどをこぼしていることをしっているのだろうか?まったくこればかりはばかげた話である。
事実、私は数冊、コーヒーのシミのついた本やクッキーのカスが入った本を見つけたことがある。本当に売り物になるのであろうか?
とにかく、日本の本屋のように立ち読みをしていてとやかくいわれることはない。それにむしろ立ち読みはご遠慮して座ってお読み下さい状態なのだ。「立ち読みは一体ご遠慮ください」と注意されたらそれは「座ってお読み下さい」にこの国だとなってしまうのである。これだけ自由に立ち読みができるのだから、一体どれだけの人が本を買い求めているのだろうか?と不安になってしまう。ただ本屋にはいってコーヒーを飲みながら本を読む。そして帰る。もしかしたら利益になっているのは実はコーヒーショップだけだったりするのかもしれない。
なんにせよ、日本のように気にせず立ち読みできるのだから、私は本屋に感謝せねばならない。しかし、もちろん、英語の本しかないのだから、私にとっては退屈な空間でしかないのである・・・。
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