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便利なバス 不便なバス

私がまだ日本に住んでいたころ、ある友達に「あ、駅からうちまでバス乗ってきて!」といわれたことがあった。私、自慢ではないが生まれてからバスなんていうものをろくにのったことがなくこの時ばかりはかなり戸惑ったものである。しかし、実際に駅でバスを捕まえて乗ってみるとむずかしいのは料金システムだけできちんと降りる場所につく前には「次は〜高崎につきます 御降りの方は〜・・・。」といった具合にアナウンスしてくれたので簡単に降りる場所を発見し、友達を見つけることができたのである。

しかし、アメリカのバスは違った。私が利用したのはアメリカに留学した直後から1999年8月までだったのだが(約4ヶ月間)、いくらたってもバスというものには馴染めなかった。

まずアメリカ(ここでの記述ではすべてロサンゼルスのバス。他に地域にはいろいろな種類のバスがあるだろうし、地域によってシステムもことなってくるだろうから。しかし、私の知っているバス=ロサンゼルスのバスなので一応アメリカを代表するバスとさせてもらう。)のバスの料金システムはバスに乗る前に金額を払うシステムである。そしてそこからどんなに距離を乗ろうが乗るまいが金額はすべて一律。その金額は120円だったので(1ドル=120円現在)かなりの格安レートだったとおもわれる。他にはクーポン券といったようなものも存在し、ただでさえ安いバスの料金が半分近くに落ちてしまった。

一度バスにのってみると広告の多さが目に付く。はは〜ん、こういったもので経営を成り立たせているんだなと納得。しかし内容がまったく理解できない。なぜなら広告のほぼ半分はスペイン語であったからである。そもそもバスに乗る人は低所得層の人がおおい。私が住んでいた地域の低所得層といえばヒスパニック系アメリカ人であったので、納得の広告であった。地域によっては黒人の人が目立つ場所も多いらしい。そもそも、金を持っている人はバスなんぞめんどくさいものに乗らずに車を利用する。

初めてバスに乗ったとき、いざ、バスから降りようとするとボタンが見つからないといった事件(?)があった。事実、初めからボタンなどというものは存在せず、なにやら灰色のゴムチューブを押すとピーンという音とともに運転手に伝えるだけなのである。これがとても難しくて初めの頃はどこにボタンがあるのかいつもあわてて調べた物である。

アメリカのバスで一番難しいのはバス内放送がないといったものである。ただひたすらに流れる沈黙。バスはただ揺れながら進むだけなのである。自分で降りたいとおもった場所の直前でボタンを押し運転手が止まる。はっきりいって初めて行こうとする場所やバスの場合は、困惑するだけである。一体なぜ場所を教えてくれないのかはわからないが、これほど難しいシステムもないとおもったほどだ。アメリカに来たばかりのころはよくバスで買い物等にいったものだが、まったく迷っただけで何も買えなかった、といったことのほうが多かったくらいである。

バスは一見、東京のように網の目状に通っているようにみえる。しかしバスが来る時間はまちまちで、しかも時にはバス自体が走っていないときもある。そんななかいつくるかわからないバスをバス停でただひたすら待ち、乗ったら乗ったでよくわからないシステムとともにかなり遠回りした道のりで目的地を目指すのである。

ここロサンゼルスではあまり電車というものは走っていない。よってバスが主な公共の乗り物になるのだが不便きわまりないのである。私は車を持って初めてそのありがたみという物を感じた。バスの経験はもしかしたらいろんなところで生きていくのかもしれない(笑)。

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