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隣の部屋までポッカポカ |
私が昔住んでいた新宿のアパートに恐ろしく古くてぼろいエアコンがあった。暖房をつけようが冷房をつけようが恐ろしく大きな物音をたてながら一生懸命ボォーと働いてくれたあのオンボロエアコンは真冬の寒さをしのぐ私の立派なパートナーであった。そんな古いエアコンでも十分に暖かく、一度となりの台所やトイレなどに行こうがものならあまりの寒さで部屋に逆戻り、なんてことがしばしばだった。その点、アメリカの暖房は違うとでもまず初めに言っておこう。
現在、この雑記を書いているのは2001年の2月である。いくら常夏のロサンゼルスとはいえど朝方はそれなりには冷え込む。しかし幸い、私のホームステイ先のヘレンおばーちゃんは毎朝4時に起きて暖房をつけてくれるのでいつも私がおきる頃には部屋中ポッカポカで難なくおきられるというわけである(しかし逆に暖かくて寝過ごしてしまうこともしばしば(涙))。
さて私がおきてシャワーを浴びにバスルームにいく。全然寒くない。そう、バスルームにも暖房がきいているのである。そして朝御飯を探しに台所にいく。ん?ここも寒くない。ここにもきっちりと暖房がきいているのである。リビングにいっても隣の部屋に遊びに行っても全く寒くない。一体なぜこんなにも家全体をヘレンおばーちゃんは暖めているのかというと、それは日本とアメリカの暖房のシステムの違いにあるのである。
率直にいおう。アメリカの暖房システムはセントラルヒーティングシステム(中央暖房装置)といって一度スイッチをオンにすれば家全体に暖房がききはじめる。つまりヘレンおばーちゃんが電源を入れれば私の部屋もルームメートの部屋もトイレもリビングもすべて暖房がきくというわけ。しかし考えてみても欲しい。もし自分の部屋だけに暖房をつけたくなったとしたら?なんともまぁもったいない話である。誰もいない部屋で暖房がぼーぼーと吹いている。しかし誰もその恩恵にあたるわけでもなく自然と気温は元に戻っていってしまうというわけだ。
このシステム、私のホームステイ先だけだとおもったら大間違い。私の知っているかぎりほぼすべての家でこのシステムが使われている。例外もなくはないがこのシステムがアメリカの基準であるようだ。そのため、日本で売っているようなエアコンなんぞはアメリカでは販売されてなく、あとで取り付けることもない。つまり家ができたそのときからそのシステムが組み込まれているというわけだ。
世界各国が省エネだ省エネだと騒いでいるのをあざわらうかのようにぼーぼー無人の部屋で吹き荒れる暖房くん。もうすこし効率のいい暖房システムを導入すればもっともっとアメリカの省エネは進むと思うのだけれど変わる傾向は一向にないようだ。
最近のヘレンのおばーちゃんの口癖。「暖房代がバカにならなくてこまっちゃうわ。」そりゃ、そーである(笑)。
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