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アメリカと日本の教育指針

近年、日本ではアメリカの教育制度が脚光を浴びている。アメリカの教育制度は自主性を重んじるために自分自身で考える力を育てリーダーを排出するというのだ。反対に日本の教育制度は集団の和ばかりを気にして「出る杭は打つ」という精神で行っているために個人の優れた特徴が育たないという評価が一般的である。そのため、日本でも「ゆとりの教育」という概念が生まれ2002年からの教育制度は難しい内容を教えるのを控え、生徒と共に向き合う時間を増やすという方針に変える。日本政府は量より質を取り、少ない情報を教えながら考えさせる制度のほうが好ましいと考えたからである。

しかしながら一体この国の教育制度は日本で囁かれているような素晴らしいものなのだろうか?確かにリーダーとしての器という面を考えると彼らには備わっているかもしれない。たとえば授業でディベート(討論)があったときに彼らは躊躇することなく自分の意見を言う。どんなに間違っていようが自分の意見を言うことに誇りを持っている。それは、子供の頃から討論の練習が授業に組み込まれているためである。しかしながら、彼らは時にただ自分の言いたいことだけを言い、そして否定されるとムキになることも多い。そういう面で考えると彼らのリーダーとしての器に疑問がつくというのも事実である。

学問的にも見てみよう。アメリカのノーベル賞受賞者はいまや180人を越えた。二位のイギリスに100人以上の差をつけての受賞者数である。しかし、「なるほど、やはりアメリカの教育制度は素晴らしい」とおもうのは少し早い。なぜならその受賞者の多くがアメリカに移民した人達だからである。かのアインシュタインもアメリカに移民しノーベル賞を受賞した一人である。そして今日でもアメリカのノーベル賞受賞者は移民、もしくはその子孫が多い。付け加え、1900年初期の白人優遇結果、そしてアメリカの総人口の多さもあるかとおもわれる。

事実、アメリカ合衆国の国民の数学レベルは世界最低、もしくはそのレベルにある。大学生ですら2桁足す2桁をろくにできない。わり算、かけ算などはもう電卓なしではお手上げというような人も多い。先日も34x5をやってあげたら驚かれた。「君は電卓かい?」と。アーチェリーのクラスで一桁の数字を6つ足すのを彼らは紙に書いて一生懸命計算していた。それは彼らが小さい頃から電卓だのみの数学をしてきたことと、出来なくても授業をパスできる状態にあったからに他ならない。数学を大学で専攻にといっている人でさえ数学の計算は苦手という人も多い。それもそのはず、アメリカの大学では日本の高校で教えることを学んでいる場合が多いのだ。今や、コンピューター時代である。そのため暗算や計算の必要性はなくなってきているのかもしれないが、最低限の数学だけはやはりできなくてはいけないのではないだろうか?日本でも2002年にはゆとりの教育が導入される。円周計算が3.14でおこなわれていたのは昔の話、来年からは「およそ3」として教えられるらしい。アメリカの教育制度を見習っている日本の未来は、今のアメリカ人のような数学苦手な人達で溢れかえってしまうのかもしれない。

そもそも、日本の1970年代の高度成長はなにに支えられていたかというと、日本人のその学力の高さである。その数学レベルは世界でもトップクラスであり、その学力が下支えになって成長を促したという。しかし近年に日本人の平均学力は年々低下しており、世界平均よりもいまだに高いのも事実だが、ゆとりの教育によってそれを割り込んでしまうことも考えられる。かの有名なマイクロソフト社の社員の半数はインド人だという。彼らの数学レベルは世界第一位であり、マサチューセッツ工科大学の入学試験を普通にしたら彼らだけになってしまうという結果もでている。ついで中国人、台湾人、シンガポール人と続く。そのどの国でも今IT革命が進んでいる。

アメリカの文化ばかりを取り入れ、アメリカがリーダーを養成することに成功したとはいえ、それをすべて右に習えするのはどうかとおもう。ゆとりの教育は確かに大切だが、もっと教える内容を減らさなくてもできることがあるのではないだろうか?いまやこのゆとりの教育に反対する日本人の声も多い。ゆとりの教育を導入したからといって、教える内容が減るだけで教師、学校体制が微々たるものしかかわらないのだからこのままだと、アメリカの学力の低さだけを見習ってリーダーシップも根本的に身に付かないような成人が増えてしまうのではないかと今から心配である。教師の言うことを聞きなさい、親のいうことに従いなさい。逆らってはいけません。結局、根本的なものは変わらないのだから何が変わるというのだろうか?

結局、日本で報道されているような頭のいいアメリカ人というのは極わずかである。そしてリーダーシップを発揮できる、プレゼンテーションをそつなくこなせる人も確かに多いのだが一体、これからの世の中で何が求められるか、もう一度考えて欲しいと思う最近である。(5/5/2001)

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