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歴史的事実と愛国心 |
この雑記を書いている現在(2001年7月)、日本では扶桑社の歴史の教科書問題について議論が行われている。マスコミ、特にテレビ関係はこぞって「事実の歪曲だ!」とこの歴史の教科書について批判を止むことはない。実際、批判しているどのマスコミもこの教科書の中の内容にはほとんど触れないのが私的にはとてもおもしろい。よくよく読んでみると、なかなかよくできた教科書だった、という学者も増えてきており、これからの論争に注目していきたいと思う。
実際、私には南京大虐殺があったかなどということは知る由もない。しかしその場で少なくとも多くの人が戦争によって殺されたのは確かな事実である。中国側の発表によるとその数は30万人。日本側の見解によると、人によっては違うが3万〜15万人といったところであろうか。その差15万。なんともまぁこれほどまでに数に開きがあるものである。
今となってはその事実すら確認することが難しいことをふまえると、どちらの見解が正しいのかなどということは私などにはわからない。しかし、常識的な心境なら賠償金問題もあり、中国側はその数を多くしたいし、日本側はその事実を名誉のためにも出来る限り小さくしたいと考えるものだとおもう。実際なかった、という学者もいるほどであり、その真相も謎が謎を呼んでいるのである。
この「数」。今回の教科諸問題だけに限らず世界では常識的に主にメディアや教育によって操作されている。私がアメリカ合衆国の大学の授業で世界史のビデオを見たとき、広島の原爆での死者は10万人、長崎にいたっては3万5千人と放送していた。実際の日本側の数字は、これも教科書や人によってはばらばらだとはおもうが、広島が14万人、長崎が7万人だと聞いている。大学の授業で、そして歴史を扱うビデオでそのような見解を話している事自体、私にはとても信じられなかった。今回の歴史教科書の内容が歴史を歪曲するものだとするなら、こういった事実を堂々と授業で教えているアメリカはどうなるというのだろうか?その他、いろいろアメリカのHPや教科書等調べてみたが、やはり皆少な目に記述している感が否めない。
アメリカ合衆国で一番有名な数字操作はインディアンの虐殺数である。アメリカの学者はこぞってアメリカに入植が始まった当時のインディアンの数を少な目に少な目にしたがる。これは白人達が殺したアメリカインディアンの数をごまかしたいからにならない。アメリカの栄光ある歴史において、インディアンを大量虐殺したという不名誉な記録は特に白人達にとって邪魔な記録でしかないのである。
数字操作のほかにも歴史を都合のいいように解釈してしまうこともできる。真珠湾攻撃など今や奇襲だった、ということがアメリカでは定説になってしまっているが、日本での見解は違う。アメリカの歴史において、奇襲と解釈したほうが都合がいいわけであって、そして日本にとってみれば、宣戦布告をした、といったほうが都合がいいのである。実際のところ、私が歴史のリサーチペーパーで調べたところ、確実に日本は宣戦布告していた。あくまで個人のリサーチでしかなく、そして本当の事実にかんしてはわからないが、どちらかがやはり歴史を歪曲しているのであろう。
歴史的事実は今となっては確かめようがないのは誰もが認めるものかもしれない。しかし、それらを意図的に歪曲させることにかんしては反対せざるをえない。しかし少なくとも原爆での死者数、及び大幅な数字操作に誰の目にもあからさまにわかるとおもう。愛国心というものは大切かもしれないが、事実を歪曲してまでほしいものではない。本当の愛国心を育てるなら本当の歴史を私は学びたいとおもう。その点、私的に今回の扶桑社の教科書には賛成である。(2001年7月12日)
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