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大地に立つ足

楽しかったデートの帰り道。夕暮れの堤防を彼女と二人で歩いている。後はもう彼女を家に送り届けるだけ、だけどまだ帰りたくないしもう少し側にいたいなって思う。だから僕は聞いたんだ「ちょっとそこの木陰で話さない?」って。彼女は何も言わずに首を縦に振った。「うん」と。そして僕らはなにげなく堤防から木陰へと向かった・・・ その時・・・・

耳を劈(つんざ)くような激しい音と共に僕らは吹き飛んだ。一瞬、何が起きているかもわからずに辺りを見回す。が、しかしそれに気付くのはいとも簡単だった。

僕の足がなかったのである・・・

「はっ!彼女はっ!?」彼女は地面にまだ倒れている。だけど僕はその場を動くことができなかった。僕の足に走る激痛とまだ存在するかもしれない「あるモノ」のおかげで・・・最愛の人を助けたい・・・・だけど僕は・・・一寸たりとも動くことができなかった。

そう僕らは・・・たった一つの地雷を踏んだのである・・・・そして僕は・・・・一人の最愛の女性を失った・・・・



もちろん、私が勝手につくった話である。「こんな話、あるわけないじゃん!」と思えるのは私達が日本やアメリカという平和な国で暮らしているから以外のなにものでもない。いまでも世界の多くの国々では戦時中に埋められた地雷が誰かに踏まれるをずっと待ち続けいるという現実を一体日本人はどこまで知っているのかは疑問である。

一歩でも家の外に外出すればそこは一見、平和な街、だけどそこに眠る多くの地雷との「運」をかけた戦いでもある。カンボジアを始めアフガニスタン、イラン、モザンビーク、ボスニア、アンゴラ、クロアチアなどの多くの国では未だに地雷と戦い続けている人達がいる。今でも紛争が続く国もあれば、紛争が過去の遺物になってしまった国もある。そんな一見平和になった国でも人々は一日に70名、約20分に一人の人が今も世界のどこかで地雷を踏み続けている。この数字が多いか少ないかは明らかである。

そんな一個300円〜500円もあれば作れてしまう地雷。一分間に1000個という数がばらまかれた。対人地雷は軍事的にみて人を殺すために作られたのではなく人の足を破壊するために作られた。そして兵士の恐怖心を仰ぐのと同時にその負傷兵を最低二人の兵士が運ばなくては行けないため戦場の兵士の数を減らすためにつくられている。そんな悪魔の兵器、さすがに世界的な動きによって廃止しようという意見が強くなってきた。そして1999年3月に結ばれた対人地雷全面禁止条約の発行。約100カ国以上の名だたる国が参加を表明し世界において地雷撤廃に拍車がかかるかとおもわれた。しかしである・・・。

アメリカを始め中国が参加しなかったのである。アメリカはご存じのように世界の警察気取りをしている国である(敢えてこうかかせてもらう)。「国際関係の中で常に国際平和を求め人々の平和のために最善を尽くす国。湾岸戦争もユーゴスラビア空爆もアメリカが世界平和のためにしたことだ。」のようなことを一般的に見て日本人は抱いているに違いない。そうメディアである新聞やテレビが放送しているからである。

しかしアメリカ合衆国がどれだけつぎはぎだらけ、矛盾した国際平和政策を掲げているかは明白である。地雷のことだけではないのだが、今回は地雷に焦点を置いて書いてみる。アメリカ合衆国が対人地雷全面禁止条約に参加しなかったわけはというと「頭のいい地雷の使い方ができるから」という。地雷にタイマーをつけ、戦争が終わる頃にはその地雷が無害になるハイテク地雷を使うから」、とのことである。しかし、地雷は地雷である、そして一体この軍事大国であるアメリカが禁止条約に参加しなければ一体どの国が地雷の使用をやめるだろうか?アメリカが使うなら他の国だって戦争に地雷をつかったっていいじゃないか?とおもうのが筋である。それくらいこのアメリカという国の影響力は強く、世界的に見てもそのリーダーシップはどこの国も認めている。だからこそ、この国がお手本を示さなければいつまでたっても本当の対人地雷全面禁止条約の締結には至らないだろう。中国がいい例である。アメリカが加入すれば中国にも圧力がかかり中国も自ずと加入せざるを得ない状況ができあがる(とも言い切れないのだが。中国に関して言えば)。中国を加盟させることが不可能でも国際世論を創り上げることができる。それが大事なのではないだろうか?第一次世界大戦後につくられた国際連盟のようにたった一カ国ではあるがアメリカ合衆国不参加というのは国際世論に多大な影響を与えるのである。

世界の警察気取りをすることは自由である。しかし本当に切に世界の平和、地雷によって毎日70人という人が被害にあっているという現実を改善しようとおもうのなら、この国が率先して加盟してほしいとおもう。日本で報道されているような世界の平和を切に願うアメリカ合衆国ならできるはずである。自国の利益ばかりを追求する矛盾した世界平和を地雷が今も眠っている国々の人達は願っているわけもない。

こと地雷に関してはこの雑記を読んでくれている人にももっと理解してほしいとおもう。時間がある方はカンボジア地雷撤去キャンペーンを見て地雷の現実を理解してほしい。(日本では4月にTBS系でZero LandMineという企画が放映されたという。そのような世の中の真実を伝える企画をもっと日本のメディアも放映してほしいとおもう最近である。)

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